ディアボロ
ディアボロとはギャング組織「パッショーネ」のボス。幾つもの偽名を持つが、本名はディアボロ。二重人格者で、ドッピオという名前の気弱な少年の人格が内在している。 母親は刑務所に服役していた女囚。刑務所では育てられないためサルディニア島の神父の養子となるが、19歳になった頃、自分の母親を部屋の床下に生き埋めにしていたことが神父にバレたため、村に放火して自らも死亡したように偽装し行方をくらます。若い頃のエジプト旅行で、スタンド才能を開花させる「弓と矢」を6本発見、その内5本はPart3のエンヤ婆に高値で売り、残りの1本を組織拡大に利用した。長年、彼の正体や経歴、素性は全ての人間にとって謎であり、彼の正体を探ろうとする者には容赦なく、冷酷で計算されつくした残忍さを演出して警告したのち始末される。 自分の来歴が表に出ることを恐れ、実の娘であるトリッシュを自らの手で殺害するためにブチャラティチームに護衛を指示し自らの下に送り届けさせるが、彼の本当の思惑を知って二度裏切られたと感じたブチャラティが反旗を翻した事によりとり逃してしまい、ブチャラティチームもろともトリッシュの抹殺を図る。 刺客として自らの親衛隊を送り込む一方で自らは第二人格のドッピオとしてブチャラティチームを追跡し、故郷のサルディニア島で同じくボスを追っていた暗殺チームのリーダー・リゾットと交戦し殺害、その後、自らの過去をリプレイしようとしていたアバッキオも殺害するが、辛うじてリプレイが間に合っていた事から素顔を割り出されてしまう。その後は自らの打倒のためにブチャラティチームに協力しようとする者の存在をつかみ、その人物が待つというローマのコロッセオに向かう。 コロッセオでは、かつて始末したと思っていたジャン=ピエール・ポルナレフがその協力者であることを知り、正体を表して彼を殺害することに成功する。しかし、死の間際にポルナレフが矢でスタンドを貫き、シルバー・チャリオッツ・レクイエムに進化させた事で矢を手に入れる事には失敗する。レクイエムの能力によって魂と肉体が入れ替わった時には、トリッシュの魂と共にミスタの肉体に潜み、隙を見てナランチャを殺害。その後はキングクリムゾンの射程に入ったジョルノの腕を切断し、とっさにスタンドを出したトリッシュをスタンドで気絶させて体の主導権を握り、レクイエムの謎を解いてあと一歩で矢を手に入れられるところまでいく。だがそれよりも先にブチャラティがレクイエムを破壊した事で魂が元の肉体に引き寄せられ、矢をジョルノに奪われてしまう。 そのため一時は撤退を考えるが、帝王のプライドとして戦うことを選ぶ。そしてゴールド・エクスペリエンス・レクイエムにスタンドを進化させる事に成功したジョルノに挑むものの、G・E・レクイエムの「攻撃してくる相手の行動や能力を『その能力・攻撃によって起こる真実』に到達させない」という能力により時の消し飛ばしを無効化され、その直後に打ち込まれたラッシュによりティベレ川に叩き落され敗北。その後はG・E・レクイエムの能力により「死んだという真実」にさえ到達できなくなってしまい、様々な形で永遠に死に続け、死ぬことに怯え続ける地獄を味わうこととなった。
ヴィネガー・ドッピオ
ヴィネガー・ドッピオとは「ボス」の第二人格でギャング団「パッショーネ」の参謀。普段は気弱で優柔不断な少年であるが、正体(ディアボロ)に感づかれると激昂し、ディアボロの人格の片鱗を見せる。ボスの意思で人格を入れ替え、そのときには体格まで変化する(ただし、アバッキオ殺害時のようにドッピオの容姿のまま人格のみを入れ替えた例もあり、人格と体格の変化は必ずしも連動するものではないと思われる)。ドッピオ自身は自分のことをボスの忠実な部下と信じている。第一人格のディアボロとは「電話」によって交信し、その前兆に電話のベル音を口走る。交信に使う「電話」は動物だろうと玩具だろうと食べ物だろうと、耳に当てられさえすれば何でもいい。 ボスと同一人物の為、キングクリムゾンの一部を操る事ができるが、本人は「ボス」から借りたものだと思っており、またその力は「エピタフ」による予知とキング・クリムゾンの「両腕」による打撃といった断片しか使えない。 組織の裏切り者となったブチャラティチームを追跡し、故郷のサルディニア島でボスへの手掛かりを探っていたリゾットをディアボロとの連携により殺害し、アバッキオも亡き者にする。その後は彼らを追ってローマのコロッセオに向かうが、コロッセオで発動したシルバー・チャリオッツ・レクイエムの能力によりブチャラティの死体に魂が入れ替わり、さらにその状態でミスタの銃撃を受けて動けなくなり、そのまま彼の肉体の死に巻き込まれる形で死亡した。
キング・クリムゾン
キング・クリムゾンとは人型のスタンド。射程距離は約2メートル。体表部にベルギーワッフルのような凹凸がある。 この世の時間を消し去る能力「キング・クリムゾン」と、頭部に付いたもう一つの顔で未来を100%の確率で予知する能力「エピタフ(墓碑銘)」(正確には、時間を十数秒飛ばした未来の動きを見る事が出来る能力)を持つ。エピタフを単体で本体の額に出現させる事も可能。 時が消し飛ぶと、物事の「過程」は消し飛び「結果」だけが残る。具体的には「食べようとしていたチョコを知らないうちに口に含んでいる」などである。これは「消し飛んだ時間」の中で行われた行動の結果であり、過程を認識出来ないという事である。その間本体は自由に行動出来るが何かに触れることは出来ず、また他の何かに触れられることも無い完全な「傍観者」となる。劇中で「空の雲は千切れ飛んだことに気付かず、消えた炎は消えた瞬間を炎自身さえ認識しない」という喩えで説明がされているように、消し去った時間内での事象は本体以外には生物だろうと無機物だろうと認識することは適わず、時間を体験していないため記憶も残らない。 消し去れる時間の範囲は最大で十数秒であり、MAX以下でなら指定出来る。エピタフにより予知できる未来も同じく十数秒先までである。 エピタフの予知で見られる映像は必ずしも未来に於いて「自分の目が見ている映像」ではなく、自分を中心にあらゆる角度から客観的に見る事もでき、自分の背後の空間から見た場合「自分」+「前方」を見渡すといった事も可能である。また、エピタフの予知で見た映像は普段自分の目で見るよりも遥かに「解析度」が高く、スタンドで姿を消しているリゾットなど、普段は決して見えない様な物も予知すると見える事がある。 この能力の真価は「エピタフ」による100%の未来予知と併用する事により、自分に都合の悪い未来の運命を察知した上で、それを無かった事にできる事である。対峙する者が「いつ」「どこから」「どんな攻撃」を加えようと、奇襲や不意打ちやどんなに高度な罠を張ろうとも、「攻撃を受けたという未来」をエピタフで先読みし、キングクリムゾンで時間を消し去る事により「攻撃を受けている過程」を無かったことにして回避する事が出来るため、この能力の上を行く事はまず不可能である。また、こちらが準備した、罠による攻撃を相手は回避できないことも挙げられる。仕掛けた後で、キングクリムゾンを発動してしまえば、消えている時間の中では回避する行動が取れない。そして消えている時間の中で罠による攻撃を受け、ダメージを受けた結果だけが残ることになる。例を挙げればトリッシュがエレベーター内で手首を切断され、連れ去られたことがある。スタンドや本体は触れられないので、周囲に罠を用意し、本体以外による攻撃を仕掛けた上で発動したと思われる。ただし、周到な準備が必要なため、以降はこのような攻撃方法はとっていない。(トリッシュの時は細かい指示をブチャラティにしている)
ディアボロ(ヴィネガー・ドッピオ)のキング・クリムゾンの元ネタ
ディアボロはイタリア語で『Divolo』であり、『悪魔』を意味する。
ヴィネガー・ドッピオはイタリア語で『Doppio』は『二重』を意味する言葉で、二重人格であることを示している。ヴィネガーは英語で『酢』を意味する。
スタンド名の由来は、アメリカのバンド「キング・クリムゾン」。