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吉良 吉影(きら よしかげ)
吉良 吉影(きら よしかげ)とは1966年1月30日生まれ。A型。一見すると平凡なサラリーマンだが、その正体は生まれながらにして「人を殺さずにはいられない」性(さが)を持ち、手の綺麗な女性を1983年以降48人殺してきた連続殺人鬼(ただし、実際に人を初めて殺した時は半ば偶然の結果である)。しかし、最初の一人である杉本鈴美以外の女性は死体を自身のスタンド「キラークイーン」により消滅させてきたため、行方不明扱いになることはあっても殺人事件としては扱われていない。女性の綺麗な手に異常な執着を示す性的嗜好の持ち主で、彼が初めてその性癖に気付いたのは、子供のころ見たモナリザの絵に描かれてあるモナリザの手を見た事による。殺害した女性の手を持ち歩いて、その手に話しかけたり食べ物を持たせたりと、常軌を逸した行動を密かにしている。臭いがきつくなってきたなどのタイミングで、持ち歩いている手とは「手を切」り、新たなターゲットの女性を選んで殺し、再びその手を持ち歩くといった生活を送る。爪の伸びが早い時期には殺人衝動を抑えることができなくなり、切った爪の長さを計測し記録、保存する趣味がある。殺人欲求が強く高まったときには、伸びる様子が目に見えるほどの速さで、音を立てて爪が伸びる。絶望したとき、血が出るほど爪をかむ癖がある。 「平穏な生活」「植物の心のような生活」「安心した生活」といった平穏無事に生きることを信条としており、この世で最も嫌いなものは「争い」。但しこれは「平穏な生活を目指す自分にとって、争いは面倒事の種でしかない」という考えによるものであり、純粋な平和主義から来る考えではない。「もし」戦えば誰にも負けないという確固たる自信はあるが、幼少の頃から自宅に置かれたトロフィーや賞状はすべて3位のものであり、しかも自分が何を得意とするのか他者に特定させないため、様々な分野の賞を意図的に取るなどしている(作者の荒木飛呂彦曰く、どれでも1位を取る実力はあるとの事)。そのように、本来持っている高い能力を隠す事で嫉まれず、そして馬鹿にされないように生活している。そのため、自分の殺人癖などを知った人間は例外なく「影で」抹殺してきた。特徴のない影の薄い男として周囲からは認識されており、上から目をかけられず出世コースからも外されているが、当人は「出世しても気苦労が増える」として気に留めていない。端正な顔立ちのため女性からは適度に好意を持たれるが、女性からの誘いを平気で断ることも多く、デート中も退屈だとしか思っていない。また神経質な性格であり、確実に殺せる状態に追い込んだ康一の靴下が裏返しになっているのを見て、殺そうとする前にわざわざそれを脱がせて履き直させていた。 本人も、他人の前で目立つ行動をすることを極端に嫌う。康一のスタンド攻撃によって目立ってしまい、チンピラに絡まれてしまった時は、腹いせとして康一を執拗なまでにいたぶった。その一方で自身のファッションにはこだわりを見せていたようで、ヴァレンチノのスーツ(承太郎曰く「スカした高級ブランド」であり、目立つ服)を好み、身に着けていた。結果的に、そのこだわりが唯一の隙となり、承太郎に追跡を許してしまっている。
殺した女性の手を持ち歩いており、それを偶然「重ちー」こと矢安宮重清に目撃され、重ちーを爆殺。このことでその友人の東方仗助らに追われることとなり、戦いの末追い詰められ逃亡。
川尻 浩作として生きる吉良 吉影
顔を入れ替えるスタンド能力を持つエステティシャンの辻彩を脅迫して、逃亡の最中で捕まえた年頃・体格がほぼ同じ男「川尻浩作」の顔・指紋を自らと入れ替えさせる。
辻彩を爆殺、そのまま行方をくらまし、川尻浩作として生きることとなって、彼の生活・筆跡を真似るなどして苦心しながらも川尻家の中に溶け込み暮らすようになる。
しかし、すべてを隠し通すことはできなかった。父の不審な行動を怪しんだ浩作の息子早人に、別人と入れ替わっていることをまず感付かれた。不審に思った早人は吉良を尾行、吉良が衝動的にカップルを爆殺した瞬間をビデオに収めて吉良を逆に追い詰めた。逆上した吉良は、咄嗟に彼を殺してしまう。早人の殺害は、偶然川尻家のことを調べ始めた岸辺露伴の疑いを強めることが確実であった。
バイツァ・ダストを発現した吉良 吉影
取り返しのつかない状況に絶望していたその時、ひとりでに動き出した「矢」に再び貫かれたことで、キラークイーン第三の爆弾「バイツァ・ダスト」が覚醒し、時間を爆破して巻き戻すことができるようになった。
早人を殺害した事実を消し去った吉良は、その能力で仗助ら一行をほぼ全滅まで追い込む。だが、その“運命”そのものを味方にした様な凶悪な新能力を、“偶然”に賭けた早人の挑戦で破られ、自身のスタンド能力の最大の天敵・東方仗助と対峙、人気の消えた朝の出勤ラッシュ後の、閑静な住宅街で最終決戦を行うことになる。 激闘の末、驕りで犯したミスにより追い詰められたところ、救急隊員の女性を媒体に再度バイツァ・ダストを発動しようとするが、スタープラチナのラッシュでスタンドの指を粉砕骨折され、爆弾起爆スイッチを押せなくなり、直後救急車の後輪に顔を轢かれて交通事故死してしまう(「時を止める力」により時が止まった状態で吹き飛ばされたため、バックしていた救急車の隊員達が吉良に気づくのに遅れたことが原因)。この際に地面とタイヤにはさまれて顔の皮膚が剥ぎ取られてしまい、直前に自ら吉良と名乗っていたことと、歯型までは入れ替えていなかったことから、死体の歯形の照合によって事故死した死体は吉良吉影の物として処理され、成り代わっていた「川尻浩作」は行方不明として後に処理された。
その後、死者の魂の通り道である「ふり向いてはいけない小道」に迷い込んだところを、幽霊となった杉本鈴美とその愛犬アーノルドの奇策によって振り向かされ、小道に宿る未知の力によって、スタンドもろとも「どこか」へ引きずりこまれていった。
キラークイーン
キラークイーンとは吉良の快楽殺人の証拠隠滅と“平穏な生活”を守るために生まれた爆弾に関する能力をもつスタンド。右手の人差し指の側面に爆弾を爆発させるスイッチがある。人型のスタンドで、ベルトのバックルをはじめ、身体の各部にドクロの模様がある。近距離パワー型のスタンドでクレイジー・ダイヤモンドと渡り合うだけのパワーを持つが、スピードでは及ばない。「矢」によって一段階進化を遂げているが、進化したスタンドの中で唯一外見が変化していない。後述の能力からも分かる様に、その手で触れられただけで勝敗が決してしまう恐るべき能力を誇るため、クレイジーダイヤモンドやスタープラチナの様な、最高位のスピードと精密性を備えた近距離パワー型スタンドでなければ、まともな戦闘すら困難。
シアーハートアタック
シアーハートアタックとはキラークイーンの左手の甲には、体温を感知して自動追尾する第二の爆弾が仕込まれており、シアーハートアタックと呼ばれる。ドクロをあしらった丸い物体にキャタピラがついた形をしており、一見それ自体が別のスタンドのようだが、あくまでキラークイーンの技(武器)の一種である。キラークイーン(の左手)の一部であるため、当然シアーハートアタックに与えられたダメージや能力は吉良の左手へ還る。 自動操縦で敵を追尾し、接触すると爆破する。この爆破はシアーハートアタック自体が爆発するわけでなく、爆炎を放つか、前述の第一の爆弾のように触れている物体を爆破するため、爆発してもシアーハートアタックはその場に残る。なお、シアーハートアタックを射出している間でも、キラークイーン本体および第一の爆弾は(左手以外なら)併用可。
爆破以外の動作においても非常に強力なパワーを持っており、広瀬康一のスタンド「エコーズACT3」の「ACT 3 FREEZE」を食らっても(至近距離でなく最大パワーでなかったとは言え)地面にめり込みながらも前進するほどのパワーに加え、スタープラチナの3ページ半にわたるオラオララッシュでも破壊できない(表面が多少欠けたりキャタピラが取れた程度)ほど強固な防御力を持つ。そのためスタープラチナのラッシュを受けても吉良の左手にはダメージが現れた様子は無かった。
しかしながら自動操縦であるため、単純な動きしか出来ないという欠点がある。この自動追尾は「熱」を感知するものであり、通常ならば人間=標的の体温を追いかけるが、それよりも温度が高い物体が他にあると、そちらに向かって行ってしまうという欠点がある。人間が複数居た場合でも、(誰が標的であるかに関わらず)興奮するなどして体温が一番上がっている人間を優先してしまう。 加えて、物理攻撃にはほぼ無敵でもスタンドの固有能力までは防げない。エコーズACT3の「ACT 3 FREEZE」を喰らった時にはその加重によって動きを封じられたため、吉良が重くなった左手を引きずりながらシアーハートアタックの回収に向わねばならなくなり(直接スタンドで回収しないと「引っ込める」ことができない)、同様の事態を警戒した吉良が己の左手を切り落とした上でシアーハートアタックを放った時にも、クレイジーダイヤモンドの「直す能力」によって強制的に吉良の左手に戻されてしまい無力化されてしまった。
バイツァ・ダスト(BITE THE DUST(負けて死ね))
バイツァ・ダスト(BITE THE DUST(負けて死ね))とは物語終盤で追い詰められた吉良吉影が再び「矢」に射抜かれて発現させた第三の爆弾。この能力は、吉良が激しく「絶望」することによって発動する。吉良の情報を知る、スタンド使いではない人間にキラークイーンを取り憑かせ、その人物から吉良吉影についての情報を得た(吉良について質問した等、「得ようとした」だけでも含まれる)者、および取り憑いた人間を攻撃しようとした者を爆殺し、かつ、約1時間程度の時間の経過を無かったことにする(戻す)ことができる、吉良曰く「無敵」の能力。川尻早人からは「時間をぶっ飛ばす爆弾」と形容された。ただし、能力発動中はキラークイーンは憑かせた人間に丸ごと入り込んでいるため、吉良はスタンドが一切出せなくなる。
第三の爆弾として人間に取り憑いたキラークイーンは普段は表に出ないが、爆破の条件を満たす者が現れるか、憑いた人間に危害が加えられると、小型の人形サイズになったキラークイーンが出現、条件を満たした対象が何人いようと全て爆破する。このキラークイーンは対象がスタンド像を「見た」時には既に対象の眼球に入り込んでおり、そのまま爆破するため防御も回避もほぼ不可能(元々目が見えない者が爆破の条件を満たした場合どうなるのかは不明)。 時が戻るとその一時間の間の(憑かれた人間の記憶以外)あらゆる事実が「無かった事」になるが、時が戻る前の時間で起きた出来事は「運命」として再び起こる。つまり、バイツァ・ダストの条件を満たして爆破されてしまった人間は、再びやってきた時間の中で今度は条件を満たさなかったとしても、同じ時間になると爆死してしまう。時が戻っても条件を満たす者が現れるたびに何度でも時を戻し続けるため、吉良の情報を知ろうとするものが完全に居なくなるまで能力は発動し続ける。
能力は吉良の任意で解除出来る。解除までに時が何度か戻っていて誰かが爆死する「運命」が出来上がっていた場合、解除した時点で「運命」ではなくなってしまうため、時が戻ってから敵が爆死する前に能力を解除してしまうと意味がなくなってしまう。逆に「運命」が実行されて「事実」になってから再び時が戻る前に能力を解除すると、もはや何をしても時が戻る事は無いため、敵は完全に抹殺される。
時が戻った場合、キラークイーンに取り憑かれた者以外の人間は本体である吉良を含め「時が何度戻ったのか」「時が戻る前に何が起きたのか」を知る事が出来ない。ただし本体やその他バイツァ・ダストの存在を知る人間ならば、取り付かせた人間の言動や、「運命」によって自動的に爆死した人間を目撃する事等によって何度時が戻ったかを推察する事は出来る。
吉良吉影のキラークイーン/シアーハートアタック/バイツァ・ダスト(BITE THE DUST(負けて死ね))の元ネタ
キラークイーンのスタンドの名前の由来は、イギリスのバンド「クイーン」
シアーハートアタックのスタンドの名前の由来は、「クイーン」のアルバム「シアー・ハート・アタック」
バイツァ・ダスト(BITE THE DUST(負けて死ね))のスタンドの名前の由来は、「クイーン」の曲「アナザーワン・バイツァ・ダスト」
Queen – Don’t Stop Me Now (Official Video)
Queen – Sheer Heart Attack
Queen – Another One Bites the Dust